1994 年 1994 巻 8 号 p. 737-742
SPG膜乳化法による水中油(O/W)型エマルションの生成について乳化剤としてポリ(オキシエチレン)硬化ヒマシ油,油としてメチルフェニルポリシロキサンを用いて検討した。このSPG膜乳化法は,一定組成の系に対して通常の転相乳化法よりも,広範囲のHLB値で良好なO/W型エマルションが得られた。乳化時の油相透過速度は,界面活性剤のHLBまたは平均エチレンオキシド付加モル数に依存した。また,界面活性剤の濃度依存性から,0.5wt%において油透過・乳化が遅いことが見いだされたが,SPG膜を界面活性剤水溶液によって前処理(0.5wt%での長時間の浸潰,あるいは10.0wt%での短時間の循環もしくは浸潰)をすることにより,0.5wt%でも油透過・乳化が促進された。以上のことから,SPG膜乳化法でのO/W型エマルションの生成機構について新たな影響因子の存在が推定される。
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