日本化學雜誌
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ペダリチンおよび関連化合物の合成
福井 憲二中山 充松井 隆尚増村 光雄堀江 徳愛
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1969 年 90 巻 12 号 p. 1270-1274

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抄録

Baker-Venkataraman転位反応で,3,6-ジヒドロキシ-2,4-ジメトキシアセトフェノン〔3〕の3-ベンジルエーテル〔4〕と3,4-二置換安息香酸の塩化物から,二置換安息香酸エステル〔5〕を経て,3-ベンジルオキシ-2,4-ジメトキシ-6-ヒドロキシ-ω-ペンゾイルアセトフェノン〔6〕をえた。〔6〕を無水酢酸ナトリウムで閉環して6-ペンジルオキシ-5,7-ジメトキシフラボン〔7〕に導いた。〔7〕を水素化分解して5,7-ジメトキシ-6-ヒドロキシフラボン〔8〕とし,ついで〔8〕を酢酸中塩酸を用いて部分脱メチル化反応を行なって,7-メトキシ-5,6,3',4',-テトラヒドロキシ-,5,6-ジヒドロキシ-7,3',4'-トリメトキシ-,7,4'-メトキシ-5,6,3'-トリヒドロキシ-および7,3'-ジメトキシ-5,6,4'-トリヒドロキシブラボン〔2a,2b,2c,および2d〕をえた。
ゴマから単離した天然ペダリチンは7-メトキシ-5,6,3',4'-テトラヒドロキシフラボン〔2a〕と完全に一致した。

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