化学工学論文集
Online ISSN : 1349-9203
Print ISSN : 0386-216X
ISSN-L : 0386-216X
担持金触媒によるフロン-12および有機塩素化合物の分解
相田 隆司樋口 礼司新山 浩雄
著者情報
ジャーナル フリー

1991 年 17 巻 5 号 p. 943-949

詳細
抄録

近年, フロン等有機ハロゲンによる地球環境の破壊が懸念されている.本研究では, 排ガス中の希薄な有機ハロゲンを分解する手法の一つとして触媒法を採用し, 適切な触媒の探索およびその作用機構を解明することを目的とした.テスト反応として塩化メチルの分解を行ったところ, 金/アルミナおよび金/酸化コバルトが高活性でかつ劣化も少なかった.フロン-12の分解では金/酸化コバルトは低活性であったが, 金/アルミナは塩化メチルの場合と同様高活性を示した.これは金/酸化コバルトが酸化機能だけを持つのに対し, 金/アルミナが酸化機能と酸塩基性を併せ持つためであることがわかった.有機ハロゲンはまずアルミナ上で脱塩素され, 次に金上で酸化されて, 完全分解に至ると予想された.この結論は金/アルミナが幅広い有機ハロゲンの分解に有効であることを示唆している.

著者関連情報
© (社)化学工学会
前の記事 次の記事
feedback
Top