日本薬理学雑誌
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新薬紹介総説
週1回投与が可能な持効型GLP-1受容体作動薬デュラグルチド(遺伝子組換え)の薬理学的特性および臨床試験成績
田牧 千裕竹内 雅和岩本 紀之Wolfgang Glaesner
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2015 年 146 巻 4 号 p. 215-224

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抄録

デュラグルチド(遺伝子組換え)は,ジペプチジルペプチダーゼ-4(DPP-4)による分解を抑制するためにヒトグルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)にアミノ酸置換を導入したGLP-1アナログを,ペプチドリンカーを介してヒト免疫グロブリン重鎖(IgG4 Fc)領域に結合したFc融合タンパク質であり,週1回皮下投与が可能な持効型GLP-1受容体作動薬である.本薬はヒトGLP-1受容体に選択的に結合し,GLP-1と同程度の受容体活性化能を示したほか,膵島細胞においてグルコース濃度依存的なインスリン分泌促進作用を示した.Fcγ受容体を介した抗体依存性細胞傷害活性は認められなかった.また,ラットおよびサルにおいてグルコース濃度依存的なインスリン分泌の促進が持続的に認められ,2型糖尿病病態モデルマウスで血糖降下作用および体重低下作用を示した.ヒトにおける消失半減期は約4.5日であり,週1回投与による曝露の持続が示された.日本人2型糖尿病患者を対象とした国内第Ⅱ相臨床試験において,0.75 mg週1回投与によりプラセボ投与群と比較して統計学的に有意なHbA1cの改善ならびに空腹時血糖および7点自己血糖測定を含む血糖パラメータの用量依存的な低下が認められた.本剤の安全性プロファイルはヒトGLP-1由来のリラグルチドと同様であり,exendin-4由来のGLP-1受容体作動薬と比べて胃腸障害,注射部位反応および抗薬物抗体産生の発現割合は低かった.本剤は投与開始時の用量漸増が不要であり,単独療法および他の血糖降下薬との併用療法が可能である.また,本薬の皮下投与用デバイスである自動注入器には,あらかじめ薬液が充填された固定針付きシリンジが組み込まれているため,用時調製の必要がない.本剤は有効性,安全性ならびに利便性の観点から,多くの2型糖尿病患者にとって使用しやすい薬剤となることが期待される.

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