育種学雑誌
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リンゴ斑点落葉病抵抗性の遺伝 : リンゴの交雑育種に関する研究(第8報)
斎藤 健一武田 和義
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1984 年 34 巻 2 号 p. 197-209

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抄録

リンゴ斑点落葉病低抗性品種育成の効率を高めるために必要な情報を得る目的で,抵抗性を異にする8品種間の交雑27組合せ5,733個体(実験1),抵抗性遺伝子型未知の34品種と実験1で遺伝子型の明らかにされた2つの検定品種との交雑68組合せ7,725個体(実験2)ならびに芽条突然変異体と検定品種との交雑8組合せ1,284個体および自家和合性品種の自殖後代199個体(実験3)を供試して低抗性の遺伝分析を行った。いずれの実験においても抵抗性には一対の主働遺伝子が関与すると見られ,その遺伝子をAltで示すと抵抗性品種の遺伝子型はalt alt,罹病性品種の遺伝子型はAli altであった。Altの遺伝子頻度は0.107と推定され,供試品種の中にAlt Altの遺伝子型は見出されなかった。

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