日本応用動物昆虫学会誌
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テンの冬期の食性
大津 正英
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1972 年 16 巻 2 号 p. 75-78

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抄録

越後山系の飯豊山の北側と,朝日岳の東側,すなわち山形県側の山麓地帯で,1968年12月から,1971年2月までの3猟期(12月1日から翌年2月15日まで)内に捕獲したテン51個体の,胃の内容物を調査した。
その結果,胃の内容物は,鳥類が3種類,哺乳類が3種類,および植物の漿果が2種類であった。
胃の内容物で,多くみられたのは,ヤマドリとトウホクノウサギであり,それぞれ,全体の25%と35%の個体にみられ,その重量は,それぞれ,47%と30%であった。植物では,カキの実が,より多く,全体の11%の個体にみられ,その重量は,全体の8%であった。
なお,テンの生息密度は,農林省の狩猟統計書の捕獲数から,漸時減少の傾向がみられる。

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