本研究では鉱物組成の異なる4種類のセメントを用い、水和発熱量の測定、圧縮強度と空隙率の測定、反応率と相組成の分析を行い、相互の関係について検討を加えた。その結果、空隙率と圧縮強度には高い相関関係があり、反応率と相組成より算出した空隙率と実測の空隙率にも高い相関関係が認められた。さらに、相組成より決定したゲル空隙比により圧縮強度の推定が可能なことを示した。また、C/Sモル比が高い材齢を除けば、平均水和率と水和発熱量には高い相関関係が認められ、鉱物組成の違いを考慮した補正を行うことで水和発熱量からも圧縮強度が推定可能であることを示した。