日本プライマリ・ケア連合学会誌
Online ISSN : 2187-2791
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原著
在日中国人母親の育児ストレスに関する研究
楊 文潔江守 陽子
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2010 年 33 巻 2 号 p. 101-109

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抄録

【目的】在日中国人母親の育児ストレスの実態を明らかにし, 在日中国人母親が日本に対して望む育児援助について明らかにする.
【方法】関東圏内に配偶者と共に生活し, 0~6歳の子供を育てている中国人の母親132名を対象とし, 中国語翻訳版の質問紙調査を行った. 内容は育児ストレス, 在日中国人母親と家族の生活・育児状況, 育児ストレス対策, 日本社会に対する不満, 期待, 希望などである.
【結果】①在日中国人母親の就職率は低く, 有職者ではパートタイム労働者が多かった. ②子どもの数は1人が多かったが, 日本での生活期間が長いほど複数の子どもを持ち, 出産間隔は4.9年であった. ③母親の多くは日本の保育園を利用したいと思っているが, できない状況にあった.
【結論】外国人の母親と子どもが迅速的かつ効果的に日本社会に融けこめるように, 保育施設利用のチャンスを拡大する, 日本語レベルの低い母親への日本語学習の機会の提供あるいは母国語での育児相談の場の提供等の支援が必要である.

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© 2010 一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
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