理学療法科学
Online ISSN : 2434-2807
Print ISSN : 1341-1667
原著
要支援・軽度要介護高齢者に対する集団リズム運動が心身機能にもたらす効果
杉浦 令人櫻井 宏明和田 弘坂倉 照妤金田 嘉清
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2010 年 25 巻 2 号 p. 257-264

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抄録

〔目的〕要支援・軽度要介護高齢者が行える『安全・楽しく・長く』を念頭に構成した集団リズム運動が,高齢者の心身機能にどのような効果をもたらすのかを検証することである。〔対象〕某通所サービスを利用している要支援2~要介護度2の利用者20名(平均年齢79.5±7.2歳)である。〔方法〕対象者を無作為に介入群と対照群に割り付けた。介入群は個別運動プログラムと集団リズム運動,対照群は個別運動プログラムのみを実施した。効果判定を行うために,介入前,介入3ヶ月後,介入6ヶ月後に身体測定,体力測定,アンケート調査を実施した。〔結果〕 両群において下肢筋力の有意な改善がみられた。さらに,介入群ではバランス能力,歩行能力,精神機能の有意な改善がみられた。〔結語〕集団リズム運動は高齢者の身体機能,精神機能の改善に有益な運動療法の一つになる可能性が示唆された。

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© 2010 by the Society of Physical Therapy Science
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