日本内科学会雑誌
Online ISSN : 1883-2083
Print ISSN : 0021-5384
ISSN-L : 0021-5384
I.診断法
2.腎疾患の疫学(レジストリーから)
杉山 斉佐藤 博上田 善彦横山 仁
著者情報
ジャーナル フリー

2013 年 102 巻 5 号 p. 1083-1091

詳細
抄録

日本腎臓学会主導で全国規模の腎生検レジストリー(J-RBR:2007年~),腎臓病総合レジストリー(J-KDR:2009年~)が開始され,2012年末まで通算で約2万例が登録されている.J-RBRの臨床診断で慢性腎炎症候群(50%~55%),腎生検分類ではIgA腎症が最多で30%~35%を占め,原発性糸球体疾患とIgA腎症を合わせて約60%弱の頻度である.二次性腎疾患では糖尿病性腎症,ループス腎炎,ANCA陽性腎炎がそれぞれ約5%の頻度で登録されている.二次研究によりIgA腎症,ネフローゼ症候群,急速進行性糸球体腎炎,多発性嚢胞腎,糖尿病性腎症などの主要腎疾患の予後調査が進行中である.

著者関連情報
© 2013 一般社団法人 日本内科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top