2014 年 103 巻 3 号 p. 734-737
Mycobacterium abscessus感染症は免疫抑制状態に発症する稀なMycobacterium症であるが,多種抗菌薬に耐性のため単剤での加療が困難である.58歳男性.慢性リンパ性白血病の加療中に播種性M. abscessus感染症と血球貪食症候群を発症した.クラリスロマイシンとイミペネム,アミカシン併用を行い,血球貪食症候群に対して副腎皮質ステロイド薬と免疫グロブリン大量療法を開始,レボフロキサシンの追加投与も相まって改善した.