2018 年 74 巻 2 号 p. I_182-I_191
東日本大震災における復旧・復興活動を通して,地域コンサルタント会社の存在意義が大きく認識された.一方,近年の競争の激化や契約方式の変更等を背景として,会社の業績が急激に悪化している.国土交通省は平成24年度の懇談会でこれを問題視し,解決に向けた対応の検討を開始した.
本研究は,最新の国土交通省の入札情報に関するデータベースを用いて,地域コンサルタントの近年の受注状況の実態を考察する.その結果,地域コンサルタントの一人当たりの国土交通省発注の受注金額は広域コンサルタントと比較して顕著に少ないが,改善傾向にあることが確認された.一方,都市の規模に対して地域コンサルタント技術者が少ない地方では,広域コンサルタントが参入しやすい契約方式の業務が多いことが明らかとなった.