日本歯周病学会会誌
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電動歯ブラシのプラーク除去効果
とくに刷掃時間と手用歯ブラシの刷掃技術の違いにおける刷掃効果
中川 種昭磯部 秀一池上 暁子林 真理渋川 義宏住井 浩剛高橋 潤一轟 啓造山田 真美大串 勉佐和 正彦角田 正健山田 了
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1993 年 35 巻 4 号 p. 674-680

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抄録

2種類の電動歯ブラシと手用歯ブラシを用い, 任意刷掃時間と3分におけるプラーク除去効果および手用歯ブラシの刷掃技術レベルの違いによる電動歯ブラシの刷掃効果について18名の被検者を用い検討した。その結果, 電動歯ブラシにおける任意刷掃時間は, 毛束反復回転式で平均7分3秒, ユニット運動式で7分22秒で, 従来規定することの多い3分より長い時間であった。そのプラーク除去効果は3分と比較して10~15%高く, その差は多くの被検者で舌側, 隣接面といったプラークコントロールに重要な部位に認められる差であり, 電動歯ブラシにおいてもある程度長い刷掃時間が必要であることが示された。また, 手用歯ブラシの刷掃技術レベルの高い群と低い群での電動歯ブラシのプラーク除去効果について調べたところ, その刷掃効果は同程度であり, 手用歯ブラシの刷掃技術が低い患者に対して電動歯ブラシの使用がとくに有効であることが示唆された。

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