1992 年 63 巻 7 号 p. 721-727
ホワイト•フィッシュミール(WFM),コーン•グルテンミール(CGM),大豆粕(SBM),コーン•グルテンフィード(CGF),アルファルファミール(ALF),フスマ(WB),大麦(BL)およびトウモロコシ(CN)をMCDOUGALL緩衝液に2時間浸漬後の可溶性区分と不溶性区分について,それぞれルーメン液と共に培養した際のNH3生成を尿素(U),カゼイン(C)およびオボアルブミン(A)を対照として比較した.Uは培養後短時間でNH3生成率が100%となったが,Cは12時間培養後も50%以下で,Aはさらに低かった.CGM, SBM, WFMの可溶性Nは蛋白質が主体で,CGMの同区分はNH3生成率がCに匹敵したが,SBM, WFMではCより低く,Aより高かった.ALF, CGM, WBの可溶性Nは非蛋白-非アンモニア態Nが主体で,その中にニンヒドリン陽性Nが多かった前2者からのNH3生成率はCGMの可溶性区分と同程度であったが,ニンヒドリン1性Nが多かったWBではSBM, WFMの可溶性区分と同程度であった.CNとBLの可溶性区分からのNH3生成率はAより低く,その傾向はBLの方が顕著で,同区分中に共存する可溶性炭水化物が微生物によるN取り込みを促したことを示唆した.不溶性区分からのNH3生成率は可溶性区分より低かったが,SBMに関しては同程度であった.