マイコトキシン
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Proceedings of the XIII International Congress of Mycology in IUMS 2011
アルタナリア属菌と穀類黒目粒のマイコトキシン
Maria T. AMATULLIFrancesca FANELLIAntonio MORETTIGiuseppina MULEAntonio F. LOGRIECO
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2013 年 63 巻 1 号 p. 39-46

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抄録

 マイコトキシンは糸状菌の生産する二次代謝産物で食料,飼料の流通において経済的,衛生的に大きな懸念をもたしている.穀類はヒトの主要な食物であり,コムギは世界中で三番目に多く生産されている.フザリウムはコムギの主要なマイコトキシン混入原因ではあるが,近年,農業環境に影響する気候変動のために他のマイコトキシン産生菌も重要なコムギの汚染原因となっていることが指摘されている.この中でも「黒目粒」と呼ばれるアルタナリア病は新たなリスクとしてその重要性が増している.アルタナリア感染に関連した病気やマイコトキシン(アルタナリオール,アルテヌエン,アルタナリオールメチルエーテル,テヌアゾン酸)がいくつかの国で報告されており,このアルタナリア属菌の新たな側面に関する知識を深めるものと思われる.本論文ではアルタナリ属菌や関連したマイコトキシンによるコムギの汚染に関する発見をまとめた.

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© 2013 日本マイコトキシン学会
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