日本老年医学会雑誌
Print ISSN : 0300-9173
高齢者の包括医療
遠藤 英俊
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2004 年 41 巻 4 号 p. 375-377

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抄録

包括医療とは高齢患者に対して, 総合機能評価を行い, チーム医療を提供することでより全人的医療の提供をめざすものであり, 急性期医療, 亜急性期医療, リハビリ, 慢性期医療, 在宅医療を含む, Seamless care の総合的医療システムである. 本稿では高齢者医療において抱える様々な現状と課題について取り上げた. 一般病床では在院日数の短縮が求められており, 高齢者のクリティカルパスの重要性や, 退院支援のための入院スクリーニングが重要な意味を持つ. さらに高齢患者がいかに自宅や施設に退院するかについて, 介護システムの利用が欠かせないまた全人的医療をめざす上でもEBMだけはなく, NBMの重要性など今後の高齢者医療の展開についてデータを示しつつ, さらにQOLの向上や介護者支援の重要性を示し, 高齢者医療の現状と課題について概説を述べた.

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