魚病研究
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各種病魚から分離されたStaphylococcus epidermidisの性状に関する研究―I
分離菌の形態学的,生物学的ならびに生化学的性状について
楠田 理一杉山 昭博
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1981 年 16 巻 1 号 p. 15-24

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抄録

 高知および香川の両県の養殖ハマチとマダイ病魚から分離したStaphylococcus epidermidisの形態学的,生物学的および生化学的性状を検討し,次の結果を得た。1.分離菌株はいずれもグラム陽性,カタラーゼ陽性の球菌で,オキシダーゼをもち,ブドウ糖を発酵的に分解することからStaphylococcus属に分類できる。さらに,コアグラーゼ試験およびマソニットの分解性が,いずれも陰性であることからS. epidermidisに同定した。2.分離菌の性状をBAIRD-PARKERのStaphyloccusサブグループの記載と比較したところ,ハマチ由来株はサブグループII, VおよびVIに,マダイ由来株はIIに分類できた。

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© 日本魚病学会
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