日本医真菌学会雑誌
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某大学柔道部のTrichophyton tonsurans感染症の集団検診結果とその対策
白木 祐美早田 名保美廣瀬 伸良比留間 政太郎
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2004 年 45 巻 1 号 p. 7-12

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抄録

某大学柔道部員31名,18~23歳について,Trichophyton tonsurans感染症の集団検診を行った.調査項目は,年齢,性別,身長,体重,居住様式,同居者数,運動時間,対戦者数,外国人対戦者の有無,患者から聴取した過去と現在における発疹の有無と時期,診察,真菌検査(KOH法,両面テープ法,真菌培養,hairbrush法)である.その結果,問診で過去に体に皮疹ありと答えた者は24名(77%),過去に頭に皮疹ありと回答したものは8名(26%)であった.診察時に,疑わしい皮疹があったのは11名(35%),うち検鏡・培養陽性3名であった.また,hairbrush法陽性であったのは11名(35%)で,頭に皮疹の有ったものは2名のみで残り9名は皮疹は見られず無症候性キャリアであった.対策として掃除,ミコナゾールシャンプーの使用,疑わしい皮疹には抗真菌剤外用,hairbrush法陽性者には,イトラコナゾール400mg/日の1週間パルス投与を行った.経時的な検診とhairbrush法の経過より,パルス療法を受けた7例中,指示通りに内服した3症例では1回のパルス投与で菌が陰性化することが判明した.

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