食品衛生学雑誌
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調査・資料
ハコフグ類の喫食による食中毒の実態と同魚類の毒性調査
谷山 茂人相良 剛史西尾 幸郎黒木 亮一浅川 学野口 玉雄山崎 脩平高谷 智裕荒川 修
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2009 年 50 巻 5 号 p. 270-277

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抄録

1990年~2008年に,長崎県,宮崎県,三重県および鹿児島県でハコフグ類の喫食による食中毒が9件発生し,13 名が中毒, うち 1 名が死亡した. このうち 2 件の原因魚種は,中毒検体の形態からハコフグOstracion immaculatus と断定された.患者は共通して横紋筋融解症を呈するなど,本中毒の症状や発症/回復/致死時間はアオブダイ中毒に酷似していた.一方,西日本沿岸で採取したハコフグ129個体とウミスズメLactoria diaphana 18個体につき,マウス試験で毒性を調べたところ,いずれも約4割の個体が急性もしくは遅延性の致死活性(0.5~2.0 MU/g)を示した.有毒個体の出現率は,両種ともに肝臓を除く内臓で最も高く,次いで筋肉,肝臓の順であった.

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© 2009 公益社団法人 日本食品衛生学会
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