日本LCA学会誌
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解説
IDEAを活用した環境ホットスポット分析用データベースの構築
田原 聖隆
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2019 年 15 巻 1 号 p. 22-32

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抄録

環境ホットスポット分析は、製品やサービスの環境評価における重要な要素を抽出するツールとして注目を集めている。また、気候変動(カーボンフットプリント)だけではなく、他の環境影響領域を考慮したマルチクライテリア分析の重要性も増加してきている。それらの分析には、インベントリデータが必要不可欠であるが、我が国最大のデータベースIDEAでも不足する基本フローが存在し、十分な分析ができない。そこで本研究では、17の影響領域(地球温暖化、オゾン層破壊、水資源消費、土地利用、大気汚染、光化学オキシダント、酸性化、富栄養化、騒音、森林資源消費、化石燃料消費、鉱物資源消費、廃棄物、人間毒性、生態毒性、室内空気質汚染、電離放射線)を評価できる環境ホットスポット分析を日本で実施するための環境を整えることを目的とした。統計などを中心にIDEAの各単位プロセスに影響領域に関係する基本フローを拡充し、マルチクライテリア分析に対応できるようにした。また、環境ホットスポット分析用にIDEAの1895の単位プロセスの直接入出力(投入、排出)している基本フローを用いて、産業連関表および廃棄物産業連関表と統合させ環境ホットスポット分析用データベースを構築した。本稿では、データベース構築手法の概要を解説する。これにより、グリーン購入等の施策への展開などが支援できるものと考える。

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