日本細菌学雑誌
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Helicobacter pylori 感染胃粘膜の炎症, 萎縮, 癌化過程
鈴木 秀和西澤 俊宏土本 寛二日比 紀文
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2005 年 60 巻 3 号 p. 453-457

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抄録

23年前に, Marshall と Warren によって胃炎患者の生検標本に Helicobacter pylori の感染と病原性が証明され, その後, 慢性萎縮性胃炎や胃癌の一部が本菌による感染症として認識されるようになった。H. pylori のもつ病源因子としてウレアーゼによって生じたアンモニア, CagA・VacA等の分泌毒素, ムチナーゼ・ホスホリパーゼといった酵素および熱ショック蛋白・OipA等の外膜蛋白などの様々な因子の関与が報告された。また, 宿主からの免疫応答としてのIL-1β, IL-2, IL-6, IL-7, IL-8, IL-10, IL-12, TNF-αなどのサイカトインの産生を伴う炎症反応や上皮細胞の増殖亢進なども胃粘膜萎縮や癌化過程に関与することが明らかになってきた。本稿では, H. pylori 感染と胃粘膜の炎症, 萎縮, 癌化過程について最近の知見を交えて概説する。

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