日本集中治療医学会雑誌
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総説
降下性壊死性縦隔炎:早期発見と適正な治療のために
野中 誠門倉 光隆
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2008 年 15 巻 1 号 p. 41-48

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抄録

縦隔炎は様々な疾患に引き続いて発生するが,降下性壊死性縦隔炎は歯科および頚部感染症によって起こる,致死的で緊急を要する病態である。歯科および頚部感染症は一般的に見られるものであるが,頚胸部の臨床所見を認める場合には直ちに頚胸部CTを施行することにより,降下性壊死性縦隔炎を早期に発見することが可能となる。患者を救命するためには,積極的な頚部や縦隔の外科的ドレナージが必要である。また術後も膿瘍の再燃が起こり得るため,その早期発見のためにCTが有用である。降下性壊死性縦隔炎はすべての臨床医が把握すべき病態であり,総説した。

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© 2008 日本集中治療医学会
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