廃棄物学会論文誌
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論文
都市ごみの排出実態と減量化意識に関する数量化分析
小泉 明小田原 康介谷川 昇及川 智
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2001 年 12 巻 1 号 p. 17-25

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抄録

本論文では, 都市ごみの減量化対策を検討するため, アンケート調査による排出実態調査データを数量化理論により分析する方法を提案した上で, 東京都区部におけるケーススタディを行い, ごみの発生構造を把握するとともに, ごみの排出に関する意識および行動についても定量的に分析した。
提案した分析プロセスは, (1) 数量化理論第I類によるごみの発生構造の分析, (2) 数量化理論第III類によるごみ減量化意識および行動の分類, (3) これらの結果を基にした数量化理論第II類によるごみ減量化意識の分析から構成されている。そして, 東京都区部の一般家庭を対象としたケーススタディの結果, まず第一に, 世帯属性を表す世帯人数, 男女構成, 職業といった要因によってごみ排出原単位を推定することができるモデルを作成した。第二に, ごみ減量化意識および行動に関する種々の要因を, ごみ減量・分別意識行動, 資源回収協力行動, リサイクル・リユース意識行動, 日常生活習慣行動の4グループに分類することができた。第三に, ごみ減量化意識の有無がごみ発生量に及ぼす影響を把握し, 減量化意識の差異が日常的な生活習慣行動に起因していることも明らかとなった。

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© 一般社団法人 廃棄物資源循環学会
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