日本森林学会誌
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隣接する土地被覆別にみた竹林分布変化の特徴
西川 僚子村上 拓彦吉田 茂二郎光田 靖長島 啓子溝上 展也
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2005 年 87 巻 5 号 p. 402-409

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抄録

複数時期の空中写真をデジタルオルソフォトに加工し,竹林分布の時系列変化を隣接する土地被覆と関連付けて把握した。福岡県篠栗町と立花町の両地域において,竹林面積はおよそ30年間で1.3~1.7倍増加していた。竹林拡大部分を土地被覆別にみると,広葉樹林が40%以上を占め,最も大きな割合を示した。一方,竹林の縮小部分も確認されたが,それらのほとんどは人為による土地改変が原因とみられた。タケの侵入率を,期首の隣接エッジ長と拡大エッジ長から求めたが,両地域ともに草地への侵入率が最も高く,次いで,広葉樹林への侵入率が高かった。竹林の分布フロントの移動速度は,1年あたりおおよそ1.1~1.6mであり,土地被覆間で大きな違いはみられなかった。

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