Trends in Glycoscience and Glycotechnology
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デンプン生合成: Starch synthase と Branching enzyme の多様なアイソザイム、その機能と相互作用の理解に向けて
H. P. GuanP. L. Keeling高田 洋樹
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1998 年 10 巻 54 号 p. 307-319

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抄録

デンプンは、地球上で最も重要なカロリー源であり、また植物における重要な貯蔵物質である。しかし、その重要性にも関わらず、デンプンがいかにして合成されるのか、そしてその合成はどのように開始されるのか、またデンプンの構造が何によって制御されているのかは、完全には理解されていない。しかし、これまでにデンプン生合成系に関与する多数の遺伝子が単離され、starch synthase と branching enzyme に多様なアイソザイムがあることが示されている。例えばトウモロコシからは、5つの starch synthase 遺伝子と3つの branching enzyme 遺伝子が単離されている。デンプン生合成の機構を完全に説明するためには、デンプン合成に関与する個々の酵素の機能を理解することとともに、多様なアイソザイムの協同作用について理解することが必要である。さて、トウモロコシは食品ならびに非食品産業用デンプンの最大の供給源であり、また遺伝学的および生化学的研究の良い対象でもある。そこで、私たちはデンプン生合成の機構、特にデンプン合成開始反応、および多様な starch synthase アイソザイムと branching enzyme アイソザイムの機能および相互作用を議論する上でのモデル植物として、トウモロコシをとりあげたい。

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© FCCA, Forum; Carbohydrates Coming of Age
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