Trends in Glycoscience and Glycotechnology
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日本における機能性オリゴ糖の開発
Teruo Nakakuki
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2003 年 15 巻 82 号 p. 57-64

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抄録

1970年以来、特殊なオリゴ糖を生産する新しい微生物起源の酵素がいくつか見出された。これらの酵素を用いて、グリコシルスクロース、フルクトオリゴ糖、マルトオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖 (分岐オリゴ糖)、ガラクトオリゴ糖、キシロオリゴ糖、パラチノース (イソマルチュロース)およびラクトスクロースなどの様々なオリゴ糖が工業的規模で生産されるようになった。また、最近の工業用酵素開発の進展により、β-1,6結合からなるゲンチオオリゴ糖、α,α-1,1結合からなるトレハロース、α-1,3結合からなるニゲロオリゴ糖および分岐シクロデキストリンなどの一連の新しい澱粉関連オリゴ糖の生産も可能になってきた。トレハロース、ニゲロオリゴ糖などの新しい甘味剤はスーパーオキシド・ディスムターゼ様の作用および免疫調整作用などのユニークな生理的機能を有し、食品原料として開発されたものである。さらに、ラフィノースやスタキオースを含む大豆オリゴ糖および先に述べた種々のオリゴ糖は、現在、飲料、菓子類、パン類、ヨーグルト、乳製品、あるいは乳幼児のミルクなどに利用されている。現在、日本におけるこれらオリゴ糖の市場は年間で200億円以上と推定されている。

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© FCCA, Forum; Carbohydrates Coming of Age
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