頭頸部外科
Online ISSN : 1884-474X
Print ISSN : 1349-581X
ISSN-L : 1349-581X
原著
口腔・咽頭癌切除後に対するMCFP法の検討
鈴木 健介藤澤 琢郎八木 正夫宮本 真阪上 智史友田 幸一
著者情報
ジャーナル フリー

2015 年 25 巻 1 号 p. 35-41

詳細
抄録

口腔・咽頭癌切除後の組織欠損に対するPGAシート+フィブリン糊被覆法は,疼痛軽減,出血予防,瘢痕拘縮軽減などの利点から,近年その有用性が報告されている。当科で2012年12月から2014年7月までに本法を施行した口腔・中咽頭癌45例を対象とした。舌癌26例とその他19例との比較では,PGAシート脱落時期は舌癌が平均8.0日目,その他が平均13.3日目と舌癌症例においてPGAシートが早期に脱落する傾向を認めた(p=0.0953)。術後出血は舌癌26例中9例(34.6%),その他19例中1例(5.3%)と舌癌症例において有意に術後出血を多く認めた(p=0.0497)。経口摂取開始時期とPGAシート脱落時期には有意な相関関係を認めず,早期経口摂取は可能と考えられた。

著者関連情報
© 2015 特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top