臨床神経学
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小児期発症がうたがわれ,長期間進行停止後に増悪したと考えられたAlexander病の1例
永石 彰子中根 俊成福留 隆泰松尾 秀徳吉田 誠克
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2013 年 53 巻 6 号 p. 474-477

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抄録

症例は40歳の女性である.1歳で単発の痙攣の既往があり,以降活気が乏しくなった.小学生時から成績不良であった.最終学歴は短期大学卒業で,卒業後に就職したが転居を機に短期間で離職した.38歳時に発語・感情が乏しくなり,その後歩行が不安定になった.40歳時,転倒を契機に他院に入院し,当院に紹介された.頭部MRIで前頭側頭葉白質を主とした著明な脳萎縮を,頸髄MRIで頸髄全般に軽度の萎縮をみとめた.GFAP遺伝子の検索でR79H変異があり,MRI所見とあわせ若年発症Alexander病が長期症状固定後に増悪したものとうたがわれた.若年型Alexander病の自然歴を考える上で貴重な症例と考えられた.

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© 2013 日本神経学会
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