2017 年 57 巻 9 号 p. 492-498
2004年~2016年で成人無菌性髄膜炎437例中,水痘・帯状疱疹ウイルス(varicella zoster virus; VZV)髄膜炎は11例(52.7 ± 14.9歳,すべて男性),頻度は2.5%であった.夏~秋に多く地区の水痘の流行と鏡像的であった.9例は髄液中VZV-DNA陽性,2例はVZV-IgG抗体価指数2以上で診断した.発症7日頃までは前者,以後は後者が有用であった.8例は帯状疱疹が先行,1例は髄膜炎が先行,2例は皮疹を認めなかった.2例はB型肝炎キャリアー,1例はインフルエンザワクチン注射後,1例がステロイド内服中であった.神経合併は三叉神経痛,顔面神経麻痺,舌咽神経痛,Elsberg症候群など認め重症化する症例もあった.