Journal of UOEH
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老人看護学における高齢者擬似体験による学び ―対象理解と援助者の役割―
室屋 和子佐藤 一美出口 由美竹山 ゆみ子正野 逸子金山 正子
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2004 年 26 巻 3 号 p. 391-403

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抄録

高齢者擬似体験の教育効果と今後の課題について示唆を得る目的で, 学生の対象理解と援助者の役割に関する学びを自由記述レポート(4800字以内)から分析した. その結果, 対象理解に関する学びとして「加齢に伴う身体的変化の特徴」「身体的変化によりもたらされる日常生活動作への影響」「生活行動によってもたらされる身体・健康への影響」「生活行動によって生じる心理的影響」「生活行動によって生じる他者への思い」「高齢者の社会的立場・関係性の変化」が, 援助者役割に関する学びとして「援助の方法・援助者の役割」「環境の調整」が抽出された. 高齢者擬似体験は, 学生が加齢による身体的変化の理解を深め, さらに, 身体的変化に伴う日常生活行動への支障や, 身体・健康への二次的影響について考えを発展させることを可能にしていた. また, 体験を通して援助者役割や具体的な援助方法の学習へと発展可能な教育方法であることが確認された.

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© 2004 産業医科大学
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